富山の旬

富山県 季節の魚

山は約3000mの立山連峰、海は深さ1000mの富山湾をもつ富山県。山や川からの酵素や栄養が海に注がれ栄養が豊富で、常に水温が2度以下の冷たい深層水(日本海固有水)で満たされている為、その特異な形からも「天然のいけす」と呼ばれております。
その富山湾に生息する魚は約500種あまり、その中でもいちおしのお魚をご紹介いたします(漁の状況により、お店でご提供できる時期が前後する場合がございます)。

ホタルイカ
ホタルイカプリプリした体にトロリとした身が特徴。よく、お酒やごはんのお供として愛されている食材です。
富山県産のホタルイカは全国でも唯一定置網で漁獲される為、キズが少なく、漁場から水揚げされる漁港までが近いことから鮮度も抜群。様々な料理法で1年を通して美味しく食べられます。
主なお料理:刺身、寿司、天ぷら、ボイル、唐揚げ、黒作り、沖漬けなど
スルメイカ
イカ花見の時期に漁獲されるスルメイカは「花見イカ」とも呼ばれており、前年の秋口に生まれ、4月~5月頃に富山県西部で漁獲されます。平均的なスルメイカより身は小さいですが、柔らかいのが特徴。
冬の1~3月頃は、北海道沖から南下してくる群れが湾内に入る為、春と冬に旬がやってきます。
富山県で「イカの黒作り」と言えばスルメイカが使われることが多く、富山の日本酒によく合います。
主なお料理:刺身、寿司、天ぷら、唐揚げ、黒作り、煮物など
真鰯(マイワシ)
マイワシ旬は主に夏~秋とされていますが、俳句の季語として「春鰯」とあるように、日本海側では春先が盛漁期。その昔は水揚げするとウロコが落ち、外圧にも弱い為に魚に弱いという字が当てられていますが、現在では鮮度保持技術の向上により、干し物以外でも美味しく食べられるようになりました。たんぱく質やカルシウムが豊富なのも見逃せません。
主なお料理:寿司、生姜醤油和え、酢和え、みぞれ和え、みりん干し、唐揚げなど
桜鱒(サクラマス)
noneimage富山県では名物の「ますの寿司」の「ます」として古くから知られてきた魚で、春の桜の咲く頃に川に遡上することや、成熟した体に桜色の婚姻色が現れることからその名がつけられたと言われています。
3~6月が主な漁獲時期ですが、近年の県内漁獲量の低下により県内での養殖にも力を入れています。桜色の上質な柔らかい肉質に芳醇な脂と淡白な旨み、上品な香りと甘さが特徴です。
主なお料理:刺身、寿司、焼き物、酢締め、煮物など

白エビ
白エビ富山湾の宝石と謳われる白エビは、淡い透明なピンク色をしており、その名の通り宝石のよう。富山県特有の「あいがめ」と呼ばれる海底谷付近の水深約150~300mに生息している為、漁獲自体は冬まで続きます。
他のエビとは違い、熱をかけても赤くならず、甘海老とはまた違った旨味とほんのりとした甘みが味わえます。
主なお料理:刺身、寿司、天ぷら、唐揚げ、サラダなど
真鯛(マダイ)
タイ富山湾では「アカダイ」と呼ばれ、5月中旬~8月頃にかけて主に定置網で漁獲。その見栄えする姿と名前から「魚の王」ともてはやされた時代もあります。
歯ごたえと、上品な甘味のある旨味が特徴。
主なお料理:刺身、寿司、焼き物、しゃぶしゃぶなど
バイ貝(倍貝)
バイ貝富山の郷土料理としては煮付け(含め煮)がありますが、近年はその歯ごたえを生かした「バイ飯」が定番料理となっており、「倍」という語呂から縁起物として祝いの席に出されることもあります。
しっかりとした歯ごたえがあり、噛めば噛むほど旨味が出る食材です。
主なお料理:刺身、寿司、炊き込み、煮付けなど
キジハタ
noneimage夏~秋頃が旬。体の斑紋が雉(キジ)のような姿から「キジハタ」と呼ばれています(富山では「ナメラ」「ヨネズ」「ヤマドリ」「アカラ」とも)。
身は透き通るような白身で、その味はハタ類で最も美味しいとされています。
主なお料理:刺身、寿司、煮付けなど

フクラギ(福来魚)
フクラギ富山県ではブリの幼魚のことを言い、コヅクラ→フクラギ→ガンド→ブリ(寒ブリ)となります。関東圏では「イナダ」「ワラサ」、関西圏では「ツバス」「ハマチ」にあたります。出世魚であり、漢字の縁起の良さ、県内では値段も手ごろであることから、富山県民に大変馴染みのある魚です。
脂のバランスがよく、さっぱりとして癖のない味わいで、冬のブリとはまた違った魅力があります。
主なお料理:刺身、寿司、天ぷら、唐揚げ、サラダなど
甘エビ(アマエビ)
甘海老旬と言えば秋~冬。紅ズワイガニと同様に、年間を通して低い水温を保つ富山湾によって、水揚げまでが大変近く、鮮度の高い状態で出荷されます。
鮮やかな紅の殻を持ち、それむいた身はほんのりと紅色を残し、とろけるような甘みがあります。
主なお料理:刺身、寿司、焼き物、揚げ物など

ブリ、寒ブリ
ブリ出世魚として知られているブリ。その中でも冬の日本海で漁獲されるものが寒ブリとされています。北陸では冬に多く雷が発生しますが、その中でも11月下旬頃に轟く雷をブリの豊漁を告げる合図として「ブリ起こし」と呼び、漁獲時期としては翌年3月頃まで続きます。激しい荒波を乗り越えてやってきたブリは富山湾へたどり着く頃に最も脂が乗る為、食べごたえのある濃厚な味わいがあります。
主なお料理:刺身、寿司、しゃぶしゃぶ、煮付けなど
紅ズワイガニ(ベニズワイガニ)
紅ズワイガニズワイガニより小ぶりなカニですが、富山の紅ズワイガニは一年を通して水温がほとんど変化しない水深800~2500mの深海に生息し、8~10年かけて育つため、その味は格別。ズワイガニやタラバガニにはない、瑞々しい身とミソに強い旨味、甘みが楽しめます。また、殻全体が朱色を帯び、熱を通すと更に鮮やかさを増しテーブルを華やかにしてくれます。
※深海の蟹で時折話題になるディープシークラブ(マルズワイガニ)は、生息は主に南アフリカのケープタウン沖深海100~1,000m程度で、名称はズワイガニとついているものの、分類としてはワタリガニ(ガザミ)の一種です。
主なお料理:刺身、寿司、鍋、天ぷら、焼き物、煮物、酢和えなど
トヤマエビ(富山海老)
トヤマエビプリッとした食感がありながらトロリとした身を持ち、舌に残る濃厚な甘味が特徴。甘エビより身が大きいので、食べごたえもあります。
ボタンエビの漁獲量が減ったことで注目された食材ですが、今やこれが「ボタンエビ」と言われるまでになりました。通年市場にありますが、旬としては冬~春と言われています。
主なお料理:刺身、寿司、揚げ物、しゃぶしゃぶなど
ゲンゲ(幻魚)
ゲンゲその昔は、甘エビの網にかかる厄介者とされていましたが、現代では鮮度保持技術が向上し、人体に吸収されやすいコラーゲンなどをはじめ、多くの栄養成分が含まれることから人気が高まっています。
天婦羅や唐揚げにすると柔らかなフワフワとした食感があり、干したものを軽く炙れば酒肴によく合います。
主なお料理:刺身、寿司、焼き物、揚げ物など
ウマヅラハギ
noneimage漁獲時期としては12~3月。旬は1~2月とされています。頭部が長く顔が馬面に似ていることから「馬面カワハギ」と呼ばれるもので、クセがなく、さっぱりとした中にも甘みと旨みが詰まった上品な白身です。
近年はフグに匹敵する味わいがあるとして評価が高まっています。
主なお料理:刺身、寿司、鍋、焼き物、唐揚げ、煮物、炙りなど

※環境や漁場の状況により、漁獲漁のピークや旬の時期がずれることがあります。